窓の外から猫の声🐈🐈🐈

2.5次元とか特撮とか。漫画や小説。平野良と望海風斗。

fffーー02

望海風斗という男役には一体どこまで可能性があるのだろう?

最後にしていっそう感じたそれに胸が締めつけられるようです。

「エリザベート」のガラコンが発表されたとはいえ、やはり退団後の望海さんはもう宝塚の現役男役ではない。仮にこの先ずっと男性役ばかり演じたとしてもそれはもう違うもの。

現役タカラジェンヌとしては泣いても笑ってもこれが最後。

研18は決して短い宝塚人生ではないけれど、一役者のキャリアとしては長いとは言えない年月です。宝塚の生徒とはなんと儚い存在なのでしょう。

その儚さこそを愛でるのが宝塚ファンなのかもしれません。


ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。望海さんが宝塚で生きる最後の役。

ベートーヴェンがやりたくて望海さんを選んだのか? 望海さんの最後の役としてベートーヴェンを選んだのか?ーー上田久美子さんのお心は分かりません。出来れば後者であって欲しいと願います。前者ならちょっと望海さんが利用されたようでモヤモヤするからです。

そんなことは横へ置いておくとして。


似合っていたなぁと思います、ベートーヴェン。心配されていたヘアスタイルもクリアして、カッコ良い男ではないけど、望海さん以外には誰にも出来ないと思わせられる楽聖が舞台にいた。

「最後はカッコいい役が観たい」という思いもゼロではなかったけれど、望海風斗という唯一無二の存在を改めて感じられた役でした。

なんだろうもう、あのめんどくさい男! でもめちゃくちゃ愛しい。そうだよね、あんな男に寄り添えるのは謎の女ちゃんくらいだよね!

恋多き男なんだけど恋愛下手で、自分の才能に自信のある実際天才なんだけど他者への憧れを隠しもしないオタク体質。自分のイメージと違ったら「失望しました」とか言っちゃうめんどくさいオタク。

近くにいたら迷惑な人だわ。この人に好かれても「えー、いやー、ちょっと……」ってなるわ。

でも望海さんが演じるとたまらなく可愛い。いじらしい。放って置けない気分になる。

コンサートに続いてピアノを弾いている。普通に上手い。そんな隠し球をずっと隠してたんかい!って言いたい。三味線も弾けたよね。音楽学校で三味線の成績1番だったよね。

まだ何か隠してるんじゃないの? 出しなさい出しなさい。よく研18まで秘めてたよね。

天才作曲家は歌も上手かった。いや本物のベートーヴェンはどうか知らないですが、今回もエグいくらい歌が難しい。しかしそれを難なく歌う望海風斗の恐ろしさ。この人怖い。

こんな歌唱を残して宝塚を去るんですよ。後を引き継げる人いないから! 十数年先の彩海さんがもしかしたら引き継いでるかもしれないけど…。

いや、ホント怖いわ。もうこの歌が宝塚で聴けないんですよ。私は次の雪組トップの彩風さんも好きだけど、彼女はやっぱりダンスの人。ダンサーにしては充分お歌も上手いですが。声が籠るのさえ改善できればなぁ。

望海さんの歌はスパーッンと客席に届く。届くどころかグラングランに揺さぶられる。音程バッチリ歌詞も明瞭、感情めっちゃ乗ってる、もはや崇めるしか術がない。


『fff』はベートーヴェンの心象風景が多いので気持ちがあっち行ったりこっち行ったり、けっこう忙しい。

「眠い」と評判(?)のロシアの平原のシーン。ベートーヴェンの夢、というか私は夢を通してのルイとナポレオンの魂の邂逅だと思っています。

感情を失ったかのような平坦な台詞回し。抜け落ちた表情。「腹が立つ」と言いながら腹を立てる元気もない。

ここの望海さんと彩風さんが好きなのです。話の結論が「そこそこ!」なのも好き。「そこそこかよ〜、あ〜でもそうかもな〜」なんて思ったり。

なんだかんだルイはナポレオンのこと好きですよね。ファンなんだよね。推しだもんね。一度降りたけど推しはやっぱり推しだった。でなきゃ夢で会ったりしてない。


謎の女ちゃんとの生活はいと楽し。文句ばっかり言ってるけど楽しんでますよね。何処の誰かも分からない、人間ですらない女との同居生活はなんだかんだしっくりきて楽しいんでしょルイ。

2人の生活のシーンは望海さんがめっちゃ楽しんでるのが分かる。真彩さんとのコンビのシーンでこれまでに素晴らしいものはたくさん有るけれど、こんなにホッコリするのは初めてですかね。


どんなに音楽に疎い人でもベートーヴェンの名前くらいは知っていると思います。モーツァルトやショパンは知らなくてもベートーヴェンは知っている。たぶん。

私個人はブラームスが好きなんだけど、インパクトの強さはベートーヴェンが群を抜いていると感じます。

望海さんルイは未来に自分の名がそんなに残ることなんて想像もしていなくて、現在生きている自分の人生に振り回されている。人生、いや、自分自身にか。

激しくて繊細で頑固で脆くて。天才の心は凡人の私には計り知れないところも多い。しかし天才もまた一人の人間。

望海さんはルードヴィッヒの天才性も人間性も同時に表現できる。望海さん本人に天才の部分と努力家の部分が混在しているせいなのかもしれない。

宝塚のトップスターとして、望海さんには欠けているモノは確かに有る。けれどそれすら魅力に変えた望海風斗という稀有な存在。

ファンだからもちろん過度に褒めている可能性もあるとは思う。それでも良いと考えます。だいたいファンが褒めなくて誰が手放しで褒めてくれるのか。あ、メディアがけっこう褒めてくれてましたね(笑)。ありがたやありがたや。


気まぐれに観た『戦国BASARA』のDVD、あれが無ければ望海さんに出逢っていなかった。あの時の私グッジョブ!

劇場に行くのを渋っていた私を引っ張り出してくれた妹グッジョブ!

望海風斗という男役に出会えて、私は幸せでした。


第九も好きになれそうな不二子

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