窓の外から猫の声🐈🐈🐈

2.5次元とか特撮とか。漫画や小説。平野良と望海風斗。

ファントム その3

ネタバレ配慮してません。




最初の歌で既にエリックの孤独に胸を締め付けられて、もう私は幕開けから「ファントム」の世界に取り込まれてしまいました。

宝塚だからあの程度だけど本当はもっと醜い設定なんですよね? 原作は何度も言いますがホラーですもの。日本で例えなら「四谷怪談」のお岩様レベル。

生まれた時からそうなら、それはもう孤独だったことでしょう。まあ自分の顔を知ったのは少し大きくなってからですが。キャリエールに連れて来られてオペラ座の地下しか知らない人生。

随分とひどい父親だとは思いますが、それでもオペラ座の地下に住まわせたのは、もちろん自分が支配人だからではあるけれど、ベラドーヴァの息子をオペラ座で、音楽の側で、生きさせたかったから…かもしれない。

実際素晴らしい音楽の才能をエリックは有していた。すごい才能を持ちながら表舞台に出られない、鬱屈しねじ曲がってもしかたありません。他人と交わることがないから大人になり切れもしない。

エリックは純粋で無垢で、ひどく歪んでいる。男女の愛と親子の愛の区別も曖昧だと感じました。

従者たちがエリックをどう思っているのか、エリックが従者たちをどう思っているのか、描かれていないのでわかりませんが…エリック亡き後、従者たちがどう生きていくのか気になりました。

彼らの間にはどんな感情があったのかしら?


まだ一回しか観てないのに、「ファントム」の世界の住人に私は近く心を寄せています。それは雪組の皆さんが本当にあの世界に生きているということ。

私が久しぶりに宝塚を観た時には「なんてひどい歌!」と思った雪組さんが、こんなに歌えるようになるなんて本当に驚きました。

ただ、こういう作品は…どんなに努力しても才能のある人には敵わないという現実も突きつけます。

次はその辺りにも言及しようと思います。


不二子

×

非ログインユーザーとして返信する