ファントム その5
ネタバレ配慮していません。
アラン・ショレの朝美さんが面白く、見る目が少し変わりました。
なかなかやりますね彼女! 近くで見るとやっぱりお顔の綺麗さは隠せないけど、遠目ならしっかり変なオジサンでした。歩き方にも工夫をしていて、こういう思い切りの良さは嫌いじゃない。というか好き。今回私の超悪い視力でもよく見えるお席だったので朝美さんの美貌は隠し切れずに滲んで見えましたが(笑)、演技も頑張ってちゃんとオジサンしていたので好感度大。
しかしあの膝を曲げた歩き方、腰を悪くしそうで心配です…。
朝美シャンドンを観られるのはまだ先ですが、単純に歌唱力が「朝美>彩凪」なのでそんなに心配ではないし楽しみです。
彩凪さんも過去に「るろうに剣心」で武田観柳を演っている経験が生かせると期待しています。
アラン・ショレという役、初演は鈴鹿照さんなのですね。鈴鹿さんは私が宝塚ファンになった頃には既に上級生だったと記憶しております。完全なる脇役だったのですねえ…。鈴鹿さんってとっても小さくて子役も多かった方ですが、男役も女役もされていて面白い個性の方でした。ベルばらのルルーとか風共のプリシーなんかが記憶に強く残っています。鈴鹿さんのショレはなんとなく想像つきますが、そのうちDVDで答え合わせしたいと思います。
カルロッタは「ファントム」を上演すると知った時から舞咲りんさんに演じてもらいたいと熱望しておりました。希望が叶って嬉しい限り。
そして期待通りのカルロッタでした。
「オペラ座の怪人」のカルロッタは老いたプリマドンナですが「ファントム」のカルロッタはそこまで年齢はいってないんですね。本来プリマドンナになれる程ではないのに、夫がオペラ座の支配人になったから我儘を通して無理矢理プリマドンナに。
この夫婦の設定はわからないところだらけですが、アラン・ショレがもともと金持ちか成金かでお金だけはあり、おそらくショレがカルロッタにベタ惚れ。結婚してくれるならどんなことでも叶えてあげるよ〜とか約束してたら、妻がオペラ座のプリマドンナになりたいわ〜なんて言い出して、正攻法では無理だからオペラ座ごと乗っ取っちゃえ!って感じかと。
そんな不相応な望みさえ抱かなければ死なずに済んだものを…。
舞咲さんのカルロッタは、そこそこ美人でまあまあ歌えて向こうっ気が強く、プライドの高い意地悪で嫌な女なんだけども、ちょっとだけ憎めない可愛い部分もあり…殺される程ではない程度の小者。
そんな女が簡単に殺されてしまう辺りがファントムの恐ろしさ。
まあ、クリスティーヌに声の出なくなる薬を飲ませたのはやりすぎでしたよね…エリックの地雷踏んじゃいましたよね。
プリマドンナなんて夢を見なければ、金持ちマダムとして幸福な人生を送れたかもしれないのにねえ。哀れな女性です。
彼女を殺したのがエリックなので、うっかりエリックの肩を持ちそうになりますが、カルロッタは何人めの犠牲者なのでしょうね。今までにも絶対エリックは殺人の罪を犯していると思うんです。なんかめっちゃ慣れてましたもの。最初の…名前忘れたけどカルロッタの衣裳係の人以前にも。
良い夫婦だったのにな…ショレ夫妻。狡くて小賢しくてセコくて尊大で嫌味で、でも愛し合ってましたよね、あの2人。
残されたアラン・ショレが可哀想…。
不二子