研9はすごくオトナに見えた
今だと96期生が研究科9年なのかな?
私がすっかりオバさんになってしまったせいか、今の研9は若々しく感じます。
なんで研9?かというと。
先日元娘役トップの上原まりさんが亡くなりました。その少し前には順みつきさんも。このお二人は同期。
私が宝塚ファンになった年に、お二人は研9でした。
宝塚ファンあるあるだと思うんですが、自分がファンになった時の学年が基準になったりしませんか?
私にとっては、研7といえば麻実れいさん、研6は北原千琴さん、研5が寿ひずるさん・高汐巴さん・峰さを理さん、研4が大地真央さん、研3が大浦みずきさん・剣幸さん・遥くららさん・研2が箙かおるさん(!)、研1が日向薫さん・夏美よう(⁉︎)さん。
あらやだ、古いなあ〜。( ̄▽ ̄;)
当時の私は小学生。
研9の生徒さんはすご〜く大人の人に見えました。
順さんはちょうど星組から月組に組み替えになる時期、上原さんは花組の娘役トップさんでした。
まだビデオなんて家庭に普及していない時代、もちろん劇団からも販売されてない。辛うじてレコードが出ていた、そんな時代です。
ウチの家ではプレゼントは誕生日とクリスマスだけと決まっていましたから、その二回とお年玉で必死にレコード集めたものです。三人姉妹なので割と早めに結構な枚数が集まりましたが(笑)。
まだ宝塚の仕組み(?)がよく分かっていなくて、「歌劇」「グラフ」「宝塚おとめ」を熟読したり劇場で知り合ったお姉さん方にいろいろ教えていただいてました。
ちびっこ3人でウロウロしてたから放っておけなかったのかなぁ? 観劇マナーや宝塚ファンとしてのルールなどは殆どお姉さん方に仕込まれた気がします。
そんな子供には研9の生徒さんは本当に大人、特に上原まりさんは大人っぽくて見上げるような存在でした。
テレビで観たマリーアントワネット、レコードで聴いた額田女王、実際に舞台で拝見したのは「うつしよ紅葉」の濃姫と「ノバ・ボサ・ノバ」のマダム・ガードが初。今思うと何で娘役トップなのにエストレーラではなかったんでしょうね? 調べてみたら上原さん以上に大人っぽい高宮沙千さんはエストレーラだったのに。そんなところに疑問も持たない程に子供でした。
順さんも上原さんも子供から観ても実力の有るスターさんでした。歌とお芝居は本当に上手かった。ダンスはあまり分からなかったけど(あ、でも室町あかねさんのダンスが凄いことは分かりました)、スターさんはみんな上手なんだと無邪気に信じていた私でも順さんや上原さんが飛び抜けて上手いことはなんとなく理解していました。
上原まりさんは退団後、筑前琵琶の家元を継がれましたが一度だけ宝塚の舞台でその腕前を披露されています。
「花影記」という作品で日本から売られてきた幸という役。琵琶が得意だそうだからこの場で弾けと言われて弾く、この演奏がまた凄くて。
初日辺りに観た時は短い演奏だったのが、千秋楽近くに観たら時間も長く、何やら難しいことをしている(?)、筑前琵琶のことなんて全然分からないけど何か凄い!とビックリした記憶があります。
この頃には花組の娘役トップの座は北原千琴さんに移っていましたが(その北原さんもこの公演で退団)、今はこんな人事ないですよね? あったらものすごく荒れる気がします。
当時も荒れたのかもしれませんが、私達まで届くことはなかったし、もしかしてお姉さん方が子供の耳には入れまいと配慮してくれていたのかも?
おそらく私にとって永遠の「研9」であるお二人が相次いで亡くなってしまい、そりゃあのちびっこ3人がすっかりオバさんになっているんだから当然といえば当然だけど、ずいぶん長い年月が流れてしまったのだなぁと…堪らなく切なくなってしまいました。
不二子