窓の外から猫の声🐈🐈🐈

2.5次元とか特撮とか。漫画や小説。平野良と望海風斗。

「アンダーライン」

別に名作でも何でもない作品ないので、特に再演希望はしません。正塚晴彦先生のバウホール作品の一つです。

正塚先生って、今は独身? 昔の話ですが、正塚先生の奥様と職場がすぐ側でして。別の会社なんだけど社員食堂が一緒みたいな。そのせいか職場の先輩が奥様とお友達だったんですよね。

先輩は交際範囲が広い人で、漫画家さんとも仲良くて当時そこそこ人気な漫画の登場人物のモデルになってたりする強烈な個性の持ち主でした。

「不二子さん宝塚ファンやったよね? そしたら演出の人とか分かる?」

「大体の人は分かりますけど」

「あたしの友達の旦那さん宝塚で演出の仕事してんねん」

「へえ〜、何て言う人ですか?」

「知ってるかなあ〜、正塚っていう人やねんけど」

「えーっ、正塚先生ですかー!」

…などという会話がなされていた頃なのですよ、「アンダーライン」が上演されていたのが。

正塚夫人とは何度かお会いしました(何しろ職場がすぐ側w)。学生時代からの仲で正塚先生が稼ぎがなくてずっと支えてきたそうです。それ以上のことは聞かなかったです。あまり突っ込んだ話を訊くのもねえ…品がないしね。

そのずっと後に離婚されたとか風の噂で耳にしたような気もしますが、あまり興味がなかったで真相は存じません。


そんな話はともかく。

「アンダーライン」は私が大浦みずきさんを大好きになった作品です。

それまではなーんか大浦みずきさんを好きになれなかったのです。ダンスが上手いことはなんとなく分かるけど、私はダンスより歌重視だし。お顔が好みじゃなかったのかなぁ?

私が大浦さんを初めて拝見したのはまだ雪組下級生の頃。「星影の人」でたぶん新米隊士とかやってらした。新人公演では麻実れいさんの土方歳三役。お化粧もまだ下手だった時代です。

失礼ながら大浦さんはいわゆる「美人」ではない。個性的というか…。

それがいつの間にかメイクの魔術師と呼びたい程のテクニックを身につけてらした。気付くのが私は遅すぎたように思います。

ようやく気付いたのが「アンダーライン」のポスターを見た瞬間です。

「これは観に行かねばならぬ」

何かを確信しました。細かいことは忘れました。モノトーンのポスターの大浦さんがやけに素敵に見えたのです。予感めいた衝撃。

観劇当日、お席は5列目センターブロック。斜め後ろに大地真央さんが座ったことを覚えています。

幕が降りた時には完全に大浦さんのファンになっていました。贔屓…とまではいかないけれど、間違いなくファンになりました。

作品はまあ「ザ・正塚晴彦」って感じですが、それが大浦さんにピッタリでした。ヒロインの秋篠美帆さんも謎めいた美女。お似合いでした。

本当は大浦さんトップの相手役は秋篠さんを望んでいました。でも名ダンサーである大浦さんに踊れない秋篠さんは無理でしたね…。

「モンマルトルのカフェ」での真桐彩さんとのダンス(「ハロー!ダンシング」で望海さんが踊った)、ひびき美都さんとの「パッツィの館」…他にも数えきれない程の名ダンス・シーンを生み出した大浦みずきさん。

ダンスだけでなく歌も演技も素晴らしかった。スラリとした肢体、優雅な身のこなし、男役芸の粋を集めたような方でした。

「アンダーライン」は私に大浦さんの魅力を気付かせてくれた作品。あれはたぶん名作でない故に大浦さんにしか出来ない作品なのでしょう。

私はもう大浦さんの享年を超えてしまいました。別にあの世でまた大浦さんのダンスが見られるとか思ってませんが、生きている限りはきっとナツメさんを忘れることはないでしょう。

棗の花の女B・不二子

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