十数年ブランクはあるものの、完全に宝塚から離れていた期間はごく短いんです。

同居人が現役バリバリのヅカオタだったり、実家に戻ったら妹夫婦がスカステにまで入っていたり。なんだかんだと観劇したり映像を観たり。

今更年齢など誤魔化す気もありませんが、まあだいたい44年くらい宝塚を観ている計算。

今は望海さんの舞台しか劇場には行かないのですが、これはまあ経済的な問題とかあまり家を空けられないとか、或いは単にめんどくさいからですね。梅田ならまあ行ってもいいかなと思うけど、宝塚まで行く気力も体力もない…。

今のところ望海さんだけがそれらを凌駕する存在です。

必然的に雪組ばっかり観ているわけですが、別に雪組ファンってわけじゃないです。

っていうか、44年間どの組のファンにもなったことはありません。その時々でファンになった生徒さんの舞台を多く観ているだけで、その組のファンというわけではないです。

宝塚から離れる前は全組最低一回は観ていたし、特別熱心に応援する生徒さんがいない時期もありました。

私がファンになった頃にも既に「何々の何組」っていうのはありました。でも雪組は確かに日本物多いな〜とか、大浦みずきさんのトップ時代は確かにダンスの花組だったな〜程度で、あまり組らしさってものを感じたことはないのです。

そりゃ100年近く存続してれば、組の中だけの暗黙の了解やしきたりなんかは自然と生まれたでしょうけれど、そんなの外野には関係ないですしねえ。年月の積み重ねが少ない分、宙組が居心地いいのは当然でしょうけど。

私はトップに依って組のカラーなんて簡単に変わると思っています。

今私が唯一劇場で観ている雪組もトップさん次第で全然違ってたなあと思います。だって汀夏子さんの雪組と麻実れいさんの雪組って全然違いましたよ。平みちさんの雪組も杜けあきさんの雪組も。一路真輝さんのも高嶺ふぶきさんのも轟悠さんのも。その後ちょっとブランクありますけど、朝海ひかるさんや水夏希さん音月桂さんもきっと違ったでしょう。壮一帆さん早霧せいなさんだって違う。そして望海風斗さんの雪組も他とは違う。

各組そんなものじゃないかしら？

だから「何組らしくない」とかいう生徒さんへの批判には全く頷けません。組み替えはその組に新しい風を吹かせるべきで、その組に染まるべきというのは組み替えの意味がないと考えます。

組み替えは生徒さんだけでなくそれに依って組の停滞を打破する人事のはず。組み替えを異常に嫌う人もいますが、私には全く理解できない心理です。まあ何処にでも現状維持を望む人っていますよね。

子供の頃、生徒さんの名前を紙に書いて切り、組み替え案を考えるのが好きでした。この人は歌が上手いからダンスの得意なトップさんの下にとか、学年や持ち味をバランス良くするにはこうの方がいいとか。

「組らしさ」なんて全然考慮しなかったです。だって私がそんなの感じてなかったから。そんなの超くだらないって今でも思ってます。

人間って最初に見たものが基本になってしまう生き物なので、望海さんを花組時代に初めて観た人と雪組に来てから初めて観た人とでは多分印象が違うのではないかしら。

私は最初に観たのは「戦国BASARA」ではあるけれど、猿飛佐助として認識していたので「望海風斗」を初めて観たのは「ルパン三世」。もう雪組の望海風斗さんでした。

カリオストロ伯爵の望海さんに惚れて、しばらくしてから「あれ？ この人もしかして…猿飛佐助の人？」とビックリした覚えがあります。原作ゲームが好きで中でも猿飛佐助が一番好きなキャラクターだったので、上手い人にやってもらって良かったなぁ〜程度だったんですよね。

そんな経緯でしたから、私にとっては望海さんは最初から雪組の人。よく言われる「花男っぽさ」というのはまーったく分かりません！ 誰か教えてくださいな。

明日海りおさんも最初から花組の人なので、彼女のどの辺がどう月組らしいのかも教えてほしいですね。

過去のトップさんの個性でいうなら望海さんは汀夏子さんと杜けあきさんの系統だと感じるので、そういう意味ではものすごく雪組らしいトップさんです。

望海さんがファンだった大和悠河さんは杜けあきさんの大ファンだったので、私や妹は「個性の隔世遺伝」と呼んでます。人間って自分にないものを求めるんだなぁとしみじみ。

明日海さんは安奈淳さんの系統だし、珠城りょうさんは榛名由梨さんかな。紅ゆずるさんは瀬戸内美八さんかな〜。真風涼帆さんは…ちょっと浮かばないけど顔は水夏希さんに似てますよね。

因みにその似た系統と言ったOGさん達はほとんど組み替え経験者です。

ねえ、やっぱり組のカラーなんて簡単に変わりますよね？

そんなものに囚われてるって、莫迦げてますって。ホント。

不二子