1988年のショー。「炎のボレロ」との併演で星組トップスター・日向薫さんのお披露目公演でした。
「炎のボレロ」は柴田先生の作品ですが…偶にある柴田先生ご乱心のトンチキ作品。観ていて「はあ?」となった作品です。でも駄作と言い切れないのは、2番手カップルのジェラールとモニカ(紫苑ゆうさんと毬藻えりさん)がとても素敵だったから。
ジェラールは白血病を患う軍人、モニカはひたすらにジェラールを愛する酒場の女。ジェラールのツンデレさとモニカの一途さにキュンキュンしました。
柴田先生こっちに力入れ過ぎとちゃう?と心配になるほど主役の影が薄くて、中身も薄かった。ついでに日向さんの演技も薄かった。
どちらかと言えばヒロイン・カテリーナの南風まいさんの方が書き込みはマシだったかな。
とにかく主役であるはずのアルベルトが何もしない。カテリーナに対してもなんか愛があるのかどうなのかよく分からない。周りが何もかもやってくれて、クライマックスであるはずのシーンさえ尻窄み。
本当よく分からない作品でした…。でも満足だったという更なる謎。アレは紫苑さんと毬藻さんのコンビが好きな人だけが楽しい作品だったのかなあ?
で、ショーの方。こちらは概ね良かったです。当時の星組はトップの日向さんと3番手の麻路さきさん以外は歌える人が多くて、その歌える人に歌わせるという当たり前のようで宝塚では当たり前ではないことをやっていたショーでした。
とても好きなショーなのですが、これがまた不思議なことに中詰めが一番盛り下がるという現象が発生したのです。
中詰めって普通どうやっても盛り上がるはずなのですが、これがまた。いや本当に不思議。曲のせいかなあ…あの曲で盛り上がるの難しいのかもしれない…。タイトル忘れました。
未だにあれほど中詰めの盛り上がらないショーにはお目にかかったことがありません。
でも好きだったなあ〜。お休みの日は全部観劇に当ててました。
ある意味毬藻えりさんファンとして一番幸せだった時期かもしれません。少なくとも私はトップ時代より幸せでした。トップ時代は苦しかった…。
「TOO HOT !」はお衣裳がピンク基調でとても可愛かったのです。男役さんもピンク! 毬藻さんがまた本当によくお似合いで可愛いなんて言葉では表し切れないほどに愛らしかったです。
毬藻さんご自身もとても幸せそうで楽しそうで、素のままでモニカみたいでした。
そんななのに記事タイトルが「TOO HOT !」なのは、それでも一番強い記憶が「盛り上がらない中詰め」だからです(笑)。
全部が盛り上がらないショーなら有るよ・不二子