窓の外から猫の声🐈🐈🐈

2.5次元とか特撮とか。漫画や小説。平野良と望海風斗。

彼は如何にして彼と成りしや

ジャニーズの藤ヶ谷太輔さん主演の「ドン・ジュアン」、私は観劇致しませんが評判は気になるので時々Twitterを検索したりしております。因みに私自身のアカウントは現在稼働しておりません。

自分で観ていないので評価や感想は述べられませんが、なんかモヤモヤっと考えたことがあり記事を書くことにしました。

『ドン・ジュアンの子供時代がばっさりカット』

ほほう。

それを聞いてアレコレ考えた結果。

「無くても良いんじゃね?」

人間って一つの出来事だけで形成されないじゃないですか。KAATとドラマシティでは違うシーンだったようですが、ドン・ジュアンが何故ドン・ジュアンに成ったかなんてあんな短い時間で語れるわけがないのです。

「じゃあドン・ジュアンはなんであんな男に成ったのさ?」

と、訊かれても困ります。どんな人間だって現在の自分を作り上げた要素を語り尽くせるものではないのです。そもそも自分でだって分かり得ませんよ、私が私に成った理由とか。

それなりに長く生きていますけど、私は小学一年生にして既に「変人」と呼ばれておりました(笑)。今思い出しても何でそう言われてたのか分からない。私は私として生きていただけなのにな。過去を振り返れば確かに変人かもな〜とは思います。でも、何故そうだったのかは自分でも分かりません。そして何故変人ではいけないのか…なんて、今でも理由が見つからない。ええやん変人でも。

そんなわけで『何故ドン・ジュアンはあんな男なのか』は『それがドン・ジュアンだから』と結論付けたいと思います。


「羊たちの沈黙」という映画はご存知でしょうか。原作もあるサスペンス・ミステリーです。これに出て来る『ハンニバル・レクター博士』は猟奇殺人者であり優秀な探偵でもあります。まあ有名な作品なので何かしらで耳にしたことのある方は多いでしょう。

この作品には続編があるのです。タイトル忘れましたが、その中にレクター博士の子供時代が描かれているのですね。まるで「こんな経験をしたからレクター博士はあんな人間になりました」って感じで。

私はこれを読んだ時「蛇足だ…」と思いました。こんな過去なんか知りたくなかった。レクター博士の魅力半減。

どんな過去を描写しても『あの』レクター博士の過去として納得できない。一つのエピソードで博士の人格形成を語り尽くせはしない。

本当に読んだことを後悔しました。どうしてミステリアスなままに置いておいてくれなかったのか…。残念です。


有栖川有栖の作家シリーズの探偵役・火村英生は犯罪心理学者として犯罪を暴き犯人を研究していますが、その理由を火村は、

「人を殺したいと思ったことがあるから」

と親友・有栖川有栖(作者と同名)に言っています。でもそれ以上は語りません。

シリーズの初期はその詳細を知りたがる読者が多かったですが、今は「このまま明かされないままの方がいい」という意見が多数を占めているようです。

私も今さら知りたくないですし、絶対陳腐になるだろうと考えております。

作者も実は未だ考えていないそうです(笑)。というか

「火村が未だ教えてくれない」

のだそうです。火村、このまま教えてないであげて。よほど納得のいく話でなければ怒るよ!


ミステリーでは「動機」に重きを置かないことがよくあります。「動機なんかに興味はない」と言い切る探偵役もいます。

実際の事件では世間は動機を知りたがります。私ももし家族を殺されたら知りたいかもしれません。でも普段は「動機を知ったところで命は戻らない」と思っております。

ものすごく重い動機だったら、その死に納得できます? 紙より薄っぺらい動機だったら?

動機探しって、人格形成のエピソードと似ていると思います。

「ドン・ジュアンが何故あんな人間に成ったか」は殺人事件の動機探しに似ている。

知りたい人もいるけれど、どうでもいいと考える人もいる。私は後者の方なので、子供時代ばっさりカットには賛成です。


私自身が大概クズなので、「なんでクズに成ったのか」なんてずーっと考えてますよ。でも何十年も考え続けて未だに答えが分かりません。むしろ「なんで私こんななの?」って訊きたいです。

まあ最近はさすがに「ま、どうでもいいか!」って気になってきております。

運命的な恋もしたことないしな〜(笑)。

クズっぷりになんとなく親近感が湧いてきます、ドン・ジュアン。嫌がられそうですけどね!


大阪でもやって欲しいな・不二子

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