今では女優さんとして有名な黒木瞳さん。月組娘役トップになったのは研２の時でしたっけ。でも研１の終わりに実質ヒロインの「あしびきの山の雫に」石川郎女を演っているんですよね。

「あしびきの〜」は普通の宝塚作品とは違って、主役が上級生組ーー榛名由梨＆条はるき、下級生組ーー大地真央＆黒木瞳に分かれているような感じです。

天武天皇・榛名由梨、鵜野讃良皇后・条はるき、大津皇子・大地真央、石川郎女・黒木瞳。

当時の月組トップは榛名由梨さんだけど、実質は既に大地真央さんが主役。この頃の月組は変則的で、ショーで榛名さんが出てない作品もあるくらいです。というか榛名由梨さんのトップ時代って、当時２番手の瀬戸内美八さんや順みつきさんが主演したりして不思議な時代なんですよね。

で、娘役トップは五條愛川さんだったのだけど、五條さんはストーリーテラー的な役割で額田女王を演じてました。

なんとも不思議な構成ですが、私自身はこの「あしびきの山の雫に」という作品が好きです。

再演はちょっと難しい。「あかねさす紫の花」もＷトップだった榛名由梨さん・安奈淳さん体制の為の作品でしたが、中大兄と大海人の比重を変えられる余裕のある作品でした。

「あしびきの〜」もそう出来なくはないかもしれないですが、天武と鵜野讃良の比重を小さくしたらつまらなくなってしまうと思います。あんな体制は今ではあり得ないでしょう。

強いて言うなら…望海風斗さんが天武をやって、朝美絢さんが大津をやるーーくらいな感じでしょうか。「あり得ない！」って思うでしょう？ あり得ないんですよ。彩風咲奈さんが大津でないのは彩風さんだと望海さんと学年が近過ぎるからです。それくらいの役だということです。まあ大津は天武の息子ですしね。

もし望海さんが後３年くらいトップをやるというならあり得るかもしれませんが、まあ現実的ではないですよね。

この作品を最後に榛名由梨さんは月組トップを退きます。専科に異動したのがいつだったか覚えていないのですが、その後の榛名さんは脇役に転じ大劇場で主演することはありませんでした。

未熟だった、若過ぎる、下手…娘役トップに立った黒木瞳さんは結構言われたい放題だったように思います。

私は好きでしたけどね。大地真央さんとのコンビも大好きでした。言うほど下手とも思ってなかったし。

とにかく可憐で可愛かった。大地さんとお似合いで、素敵なコンビだったと今でも思っています。

黒木さんは67期、美人の期と誉れも高い本当に綺麗な人の多い期。前にも書きましたが、私の知人もこの期の生徒さんです。

知人が出ているから文化祭も行きました。黒木さんはお芝居の「トリスタンとイゾルデ」でヒロインを演じていました。シングル・キャストなのでヒロインは彼女だけです。ちなみに主役のトリスタンは凪七瑠海さんの従姉妹にあたる、そしてジャニーズのマリウス葉さんの御母堂の燁明さん。

真矢みきさんや涼風真世さんが何をしていたかは…すみません、全然覚えてません！ 何しろ目的たる知人すら何処にいるか分からなかった（笑）。

イゾルデ役の黒木さん上手かったのですよ。如何にもヒロイン！って雰囲気だったし。

そう知人に電話したら「だってあの子、大地真央さんの相手役になるのがもう決まってるもん」と不機嫌そうに言われましたが……。同期なのに仲悪いのかな〜と私は思って、その辺は「ホンマかいな」と流してましたけど、本当に相手役になりましたね。

どういう経緯でそうなったかとかは興味ありません。私は大地さんと黒木さんのトップコンビが好きだった。それだけで良いのです。

初めて東宝劇場に行ったのがお披露目の「情熱のバルセロナ」でした。確か夏休みだったんですよ。他に東京見物したかどうかは覚えていません。その後東京に住んだから記憶がごっちゃです。

後１年、大地さんと黒木さんのコンビが観たかったです。次の剣幸さんとこだま愛さんのコンビも好きでしたけどね。

女優になってからの黒木さんは偶にしかテレビを観ない私にはあまりよく分かりません。良くない噂とかもたま〜に聞きますが、真偽の程が分かりません。分からないことは無視しています。

私の中の黒木瞳さんはやっぱりあの可憐な石川郎女の黒木さんのままなのです。

仁科有理さんは山辺皇女だよ！・不二子