窓の外から猫の声🐈🐈🐈

2.5次元とか特撮とか。漫画や小説。平野良と望海風斗。

柚希礼音さん

まだ柚希さんがうんと下級生の頃だったと思うのです。何の作品かすら完全に忘れてしまったのですが、一度だけ観たことがあります。

その頃はもう他のものに夢中になっていて宝塚には全然興味を失っていました。

たぶんショーかなあ? 柚希さんがほんの少しだけソロで踊っていました。天辺近くの席でオペラグラスも使わずにボンヤリと観劇していた私は、誰とも分からず観ていたその子に目を惹かれました?

「この子…トップになるわ」

珍しくそう思いました。友人に聞いたお名前が「柚希礼音」。

といってもプログラムで確かめもせず(たぶん買ってすらいない)、それきりだったのです。

月日は流れ流れて…再び私が宝塚に興味を向けた頃には、柚希礼音はまさに退団されたところでした。

トップになられたことも知らず、その活躍も知らずに柚希さんはいつのまにか去って行ってしまわれたのです。お顔をちゃんと拝見したのも退団後。本当にあの時の短いダンスしか知らないままでした。

偉大なトップさんだったと伺って、ダンスの分からない私にしてはあの瞬間だけは見る目があったのかしら?…なんて思ったりして。いつも書いていますが私には青田買いの趣味はないので、あの頃宝塚ファンだったとしても彼女にどうこうはなかったと思います。

でも他の全てを忘れているのに、あの柚希さんのダンスだけは今でも覚えているのです。よほど強烈だったのでしょうね。

柚希さん在団中に宝塚に戻っていたとして柚希さんのファンになったかは分かりません。いや…たぶんファンにはなってなかったでしょう。

判官贔屓気味の私は、あまりに恵まれた人にはどうも興味が持てない。たぶんトップになれるかどうか茨の道の人に惹かれていたのではないかしら?

恵まれた人には恵まれた人なりの苦労や苦悩がある。きっとそうでしょう。しかし敷かれたレールを外れることは出来ない。それは辞める以外にはもう道がないということ。

レールを自分で敷いていかねばならない人の苦労は並大抵ではない。それに疲れて退団する人もいる。

どちらが達成感があるかとか、本人にしか分からないこと。本人にだって自分のことしか分からない。

幸も不幸も他人と比較するものではなく、自分だけの絶対評価です。

柚希礼音さんの宝塚人生がどうであったかは、私には全く分かりません。

あの、大きく伸び伸びと踊っていた下級生のその後は、私の知らない彼女の人生。

幸せだったらいいな…と思うほどには鮮烈な記憶です。


ダンスはホンマよう分からん不二子

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