宝塚とファンタジー
一見相性が良さそうなのに、意外とやっていないですよね。
私が知っているのは紫苑ゆうさんのお披露目公演の「白夜伝説」くらい。
ショーのタイトルならちょこちょこありそうな気がします。具体例が今思い出せませんが。
ライトノベルから「指輪物語」のようなハイ・ファンタジーまでいろんなものがあるし、何ならオリジナルでも良さそうなものではあるのですが、不思議とない。
「白夜伝説」は言っては何だけどファンタジーというより子供の絵本みたいな幼稚な内容でした。紫苑さんが可哀想だと当時思った記憶があります。
麻路さきさんと洲悠花さんと研2か研3で抜擢された花總まりさんだけが美味しい作品でした。
ミーミルという役名の盲目の少女役の花總さんはビックリするほど可愛かったです。舞台化粧した姿が、私の「永遠の美少女・北原千琴」さんに見えて更にビックリ。本当に愛らしかった…。「女帝・花總まりの最初の一歩」って感じです。いや私大好きですよ花總さん。
しかし「白夜伝説」には心底ガッカリしました。「ファンタジーをやる」と聞いた時には「遂に宝塚の本領か!?」などと思ったのですよ。それが蓋を開けたら…。お衣裳なんかはさすがと思いましたけど、とにかくお話が稚拙で。ファンタジー好きにはとても観せられないと確信しました。
お衣裳や舞台装置、現実離れした雰囲気…宝塚に合いそうなのに、何故あんな駄作になってしまったのか? 何故あれ以来宝塚でファンタジーを創られないのか?(私が観てない期間に上演されていたらごめんなさい)
ファンタジーって案外難しいのかもしれません。まず作品世界の説明が必要だし、その世界観に合った価値観・風俗・歴史・文化など観客に限られた時間で理解させなければならない。
うん、やっぱり難しいわ。
そこだな〜、やれそうでやれない理由。そんなものを上手く書ける脚本家が今の宝塚にいるとは思えない。
ショーの一場面くらいが関の山ですね。
「指輪物語」は一巻だけしか読んでませんが、映画三部作は複数回観に行きました。池袋の新文芸座で一挙上映した時は友人達と観に行きましたが、あまりに長時間でお尻が死にました。
漫画ならひかわきょうこさんの「彼方から」がおススメです。単行本は全14巻、文庫版で全7巻が刊行されています。いわゆる異世界モノですが、主人公ノリコ(典子)が言葉を覚えるまでにかなりページを割いている、当たり前なはずなのに珍しい作品です。イザークという異世界の青年がねえ…めちゃくちゃカッコいいんですよ!
ひかわさんは絵が上手い。綺麗だし可愛いし、カッコいいし、アクションなんかも躍動感に溢れてます。とにかくおススメします。絶対面白い!
宝塚の存在そのものがファンタジーなのかも・不二子