窓の外から猫の声🐈🐈🐈

2.5次元とか特撮とか。漫画や小説。平野良と望海風斗。

有沙瞳さんへの願い

有沙さんご本人のお気持ちは分かりません。どんなに考えたところで憶測に過ぎないし、直接に聞く機会があったとしてもそれが本心とは限らない。

だからご本人のお気持ちとは別のところで私が考えることを書きます。もしかしたらファンの方のお心を傷つける内容になるかもしれません。それはお詫びするしかないです。でも私には私の考えがあるので、おそらくそれを撤回することはありません。


私は一役者としての有沙瞳さんが好きです。一番好きなのは「ドン・ジュアン」のエルヴィラです。一度契っただけの男の妻を自称する、ある意味「痛い女」。しかし一途でひたむきで、哀れな女。今だとストーカーと呼ばれるかもしれません。

決して悪女ではない、でもドン・ジュアンを愛するあまり彼からマリアを引き離そうとラファエルを嗾けてしまう。彼女自身、自分のしていることは間違っているのでは?と自問しています。

ドン・ジュアンにとってはこれまでの他の女と何ら変わりのない、捨ててしまえばもう興味のない女。

同じ女として辛い気持ちはよく分かります。私も少しだけ似たような恋をしたことがあるので、余計に胸が痛いです。

ドン・ジュアンが死ぬ時、きっと一瞬たりともエルヴィラのことを思い出したりはしていない。何をしても振り向いてはもらえない恋。そんな役が有沙さんにピタリと嵌っていた。


「伯爵令嬢」のアンナを挙げる人も多いでしょう。こっちは完全なる悪女。下級生とは思えぬ見事な演技。あそこまで振り切って悪に徹する有沙さんは輝いていた。

そう、有沙瞳という役者の個性はアンナやエルヴィラにある。色でいうなら毒々しいまでの紅。決してピンクではない。水色でもない。

黒に限りなく近い真紅の花、それが有沙瞳さん。

稀有な才能の持ち主だと私は思います。誰よりも美しく咲き誇れる場所がちゃんとあるのです。そこで咲くのでは駄目ですか?

私は見たいですよ、有沙さんが見事な大輪の花を咲かせる姿を。その場所はトップという場ではないかもしれませんが、トップにこだわっていたら花は萎んでしまうと思います。


どんなに頑張っても、才能があっても、トップになれない人はいます。巡り合わせというかタイミングというか運というか…しかしトップでなければならないと限ったものではないのでは?

万人が認めるトップというのはそうそういません。有沙さんはトップになるべきとおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。でもそこにこだわっても良いことは何もないように感じるのです。

今、雪組の娘役2番手の立場にいるのは朝月希和さんだと思いますが、彼女は見ている限りとても幸せそうです。朝月さんだって新人公演ヒロイン経験者です。トップを夢見たことがあったかもしれない。しかし今の自分に納得し全力を尽くしているように見えます。彼女からは「幸せオーラ」が出ているように感じられるんですよね。


同期の真彩さんとトレードのような形で組み替えになりましたから、真彩さんと同じ待遇を求めたくなる気持ちも分からないではないです。

けれど真彩さんが雪組に来るのは必然でした。望海さんに最も相応しい相手役は真彩希帆さんしかいません。そして真彩さんはヒロイン属性を持つ人でした。シャロンにもクリスティーヌにもなれる娘役さん。

脇に置いても真彩さんは光ったかもしれません。しかし望海さんの隣が一番似合う人なのです。残念ながらそれは有沙さんではなかった。

礼真琴さんの相手役として舞空瞳さんが相応しいかどうかは未知数です。でも劇団は舞空さんに賭けた。それだけのポテンシャルを舞空さんに感じているのでしょう。

礼真琴さんの隣は舞空さんの場所となった。だからといって有沙さんが輝ける場所がなくなったわけではありません。

有沙さんには有沙さんにしか出来ないことがあり、有沙さんにしか咲かせられない花がある。

どうか退団など選ばず、もっともっと有沙瞳という役者を極めていただきたいのです。私はそんな有沙瞳さんを観たいのです。

もちろん有沙さんの人生は有沙さんのもの。どんな道を選ぶも自由です。それが逃げた結果でなければ、私は祝福します。

それでも、私のエゴと理解した上で申します。

有沙瞳さん、有沙さんだけの場所で輝いてください。大輪の花を咲かせてください。あなたなら、それが出来ると信じています。


不二子

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