シャンドン伯爵とアラン・ショレ。

今回の公演の目玉の一つ、役替わり。彩凪さんと朝美さんの競演。

さてやっとＢパターンを観劇しました。まず朝美シャンドン。朝美さんの経歴からすると本公演でのこういう大役は「ひかりふる路」のサン=ジュストくらいで、更に一本物では初めてといっていい。そんな大役シャンドン伯爵をどう演じるかどう歌うか、楽しみにしていたのですが…。

朝美さんはあんなに派手なお顔立ちなのに、意外と存在感が薄いと感じました。登場した瞬間のパッと華やぐ感じがちょっと足りない。その辺は彩凪さんの方が華やかだったと思います。朝美さんはなんというか、普通。

ただ歌に関してはもう単純に朝美さんの方が上手い。でももっと歌えるかと期待していたので、やっぱり普通レベルで残念。

いや雪組はトップコンビの歌が凄すぎて、他は歌える人が少ないので朝美さんくらい歌えるなら雪組では充分ではあるのですよ。でもね、朝美さんの立ち位置を考えたら普通レベルの歌唱力では駄目だと思うのです。

身長はもう今以上に伸びはしないのだから、実力を磨き上げるしかないのです。小柄でスタイル難、劇団から優遇されてきたわけではない、ひたすらに実力でのし上がってきた…そんなトップさんが朝美さんの目の前にいるじゃないですか。

確かに望海さんと比べてたら朝美さんの歌唱力はまだまだです。でも彩凪さんよりは遥かに歌えるのも事実。朝美さんにはまだ伸び代があると感じました。とにかくひたすらひたすら実力を身につけ、自分に自信を持って舞台に立てるよう頑張ってほしいなと思います。

同時に彩凪さんが華やかさを再確認したように思いました。場数の違いもあるのでしょうか？

彩凪さんのアラン・ショレ。う〜ん…。役作り云々よりも発声の悪さが気になってしかたありませんでした。最近良くなってきたと思っていたのですが、喉を締め付ける聞き苦しい発声で偶に何を言っているのか聞き取れない。

見た目はちょっと面白いけどイケメン親父という感じ。カルロッタとのやりとりもクスッと笑えました。

朝美さんのアラン・ショレが美貌を完全に封印し振り切っていたので、彩凪ショレにはちょっと不完全燃焼かなぁ〜。彩凪さんにも予想外の役作りをしてほしかったです。

彩凪さんと朝美さんの良いとこどり出来たら完璧なシャンドン伯爵になっただろうにという思いを消せません。

不可能な願いを求めても詮無いことではあるのですが…。

現実的なことを考えるなら、彩凪さんがこれから発声や歌を向上させるより、朝美さんが今よりもっと歌えるようになって場数をこなして華やかさを発揮する方が早い…のかな？

まあシャンドン伯爵に関しては、双方一長一短があり引き分けという感じでしょうか。

アラン・ショレはまあ個人の好み…かな？ 私は朝美さんのショレの方が面白かったかな。

とにかくお二人には一層の精進を願いたいです。まだまだ可能性を秘めているはず。彼女たちには最高のお手本がすぐ側にいるということを忘れないでいただきたいと思います。

不二子