20世紀号に乗って・2
「ファントム」が望海さんの歌の天井かと思っていたのですよ正直なところ。
違った…。
天井はいったい何処なのだろう。高過ぎて視力0.03の私には見えないよ…。
「20世紀号に乗って」のオスカー・ジャフィ。軽々となんでもないかのように歌ってらっしゃるからウッカリとしていましたが、フッと冷静になりました。
「あれ? この歌もしかして物凄く難しくね?」
望海さんがあまりにも簡単そうに歌うから騙されそうになりましたよ!
望海風斗さん…怖い子!
この物語ってリリーが主役のようでいて、実際に話を推進しているのはオスカーなのですよね。オスカーがいなかったらリリーは普通に20世紀号に乗ってニューヨークに着いただけだったはず。映画にちょっと飽きて生の反応欲しさにマックスの持ってきた舞台の話を受けていた。それだけのはずだったのです。
そんなリリーを取り戻すべく豪華列車に乗り込んできたオスカーがリリーの人生を引っ掻き回す。そう、いつだってリリーの人生の転換期にはオスカーがいる。
見た目は髭のイケオジ、性格は尊大で傲慢で強引で、今は落魄れているけれど元は才能溢れる演出家。客席から観ているとリリーが今もオスカーを愛していると分かりますけど、この人の「リリーは俺を愛している」という自信は何処から来るのやら。
私だったら幾ら見た目が望海さんでもオスカーには付き合い切れませんが、オーエンやオリバーも抗い難い魅力に引き寄せられているようですし(給料の未払いは別としても)、強烈な吸引力を持った人物なのですね。
スカイ・ステージでも言ってらしたように、あの登場の仕方はなかなか無い。せり上がりもゴンドラで降りてくるのも経験済み、もうアレしかないって感じでしょうか。いや、次は普通に出て来てくださってかまいませんけど。
どうしようもないオッさんなのですが、不思議と無視出来ない色気があり、つい身を寄せてしまいそうになる(リリーが)。
リリーには大ナンバーが幾つも有ります。オスカーにはそれは有りません。しかし全ての歌が難曲。今の宝塚のスターさんでオスカーを演れる男役さんは他にはちょっと思いつかない。
演技だけなら演れるかもしれないけれど、あの歌の数々が付いてくると思うと他の誰にも無理!…と思ってしまいます。
また大袈裟に讃え過ぎ? いえ本心です。本音です。
だから私は望海さんの大ファンなのですってば!
…感想はまだまだ続きます。次回「貧ちゃん再び」をお待ちください。
食堂車の女C・不二子