窓の外から猫の声🐈🐈🐈

2.5次元とか特撮とか。漫画や小説。平野良と望海風斗。

20世紀号に乗って・4

コメディ=アドリブ…ではないと、私はもう何度も申しております。その思いは現在もいささかも変わってはおりません。

望海さんは自ら「アドリブが苦手」と公言してらっしゃいます。そのせいでしょうか? 「望海風斗はコメディが苦手」と思っていた宝塚ファンが多いように見受けられます。

まあ確かに「ルパン三世」で早霧せいなさんにアドリブを振られまくってタジタジになっていたのは事実。

しかしながら「コメディは上手いけれどアドリブは苦手」「アドリブは得意だけどコメディが上手いわけではない」はそれぞれ逆も成立します。

宝塚OGで言うと大地真央さんは優れたコメディエンヌですが、彼女の生み出す笑いの真髄は「間の取り方の上手さ」です。アドリブも得意ですが、それは主ではなく一切アドリブ無しでも彼女は客席を沸かせられます。絶妙な間の良さは本当に小気味よい。男役時代も女優さんになってもそれは変わりません。


さて「20世紀号に乗って」です。たぶん脚本に書かれていない部分のフリーな演技をする辺りは結構アドリブ的な動きはしていると思います。特に彩風咲奈さん。無言で自由に動いているシーンは毎回違うことをしているような気がします。でもとても自然で、舞台進行の妨げになることはしていない。

アドリブというより、まさにフリー演技を指示されているのではないかと思います。

私が観た2回共アクシデントはなかったので、アドリブらしいアドリブは見聞きした覚えがありません。

皆さん本当に間が良くて小気味よい芝居をされていました。芝居の呼吸ってとても難しい。全員が一丸となって合わせていかないとリズムが狂ってしまう。誰一人自分勝手なことはせず、全体のバランスを崩さずに、でも笑いを取る必要がある。

雪組オーブ組の皆さんはそれを見事に体現してみせた。素晴らしいと思います。コメディなのに感動しました。もちろんめちゃくちゃ笑いましたけどね。

「20世紀号に乗って」という作品の身体の一部として、全員が指の先まで機能していた。そんな舞台だったと私は思いました。

見送りの女C・不二子

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