窓の外から猫の声🐈🐈🐈

2.5次元とか特撮とか。漫画や小説。平野良と望海風斗。

炎の妖精

汀夏子さん。母が大ファンだったのです。私や妹たちももちろん好きでしたが、母が一番ファンでした。会に入ったりはしませんでしたが、一度だけお稽古の出に出くわしてその時にサインをしてくださいました。今では考えられないくらい大らかな時代でした。

当時の私は全然子供だったので上手い下手など分からず、自分が好きかどうかだけで全てを測っていました。きっと汀さんは上手かったんでしょうね。ずっと首席だったそうですし。まあ首席の人が全部上手いってわけでもないと今なら分かりますが。

近所に母の知り合いがママさんをやっている喫茶店があるのですが、そのママさんは汀夏子さんの初舞台も観ているそうです。ママさん曰く「あの人はすごかったよー!」とのこと。堂々としたものだったそうです。

そういえば汀さんの経歴ってどうだっけと思い、調べてみました。


1964年、50期首席入団。

1965年、雪組配属。初舞台からわずか10か月後に『港に浮いた青いトランク』で準主役に抜擢。

1968年、『一寸法師』で初主演。

1970年、『バレアナの微笑み』で主演。1年上級生の郷ちぐさと共に雪組トップスターとなる。

1972年、郷の退団に伴い雪組トップスター単独就任。


研6でWトップ、研8で単独トップ。研1での準主役というのも凄すぎてもう意味が分からないです。

何かの折に汀さんが「ラインダンスは初舞台でしかしたことがない」「あんなに早く出世したくなかった」「ゆっくり同期と切磋琢磨しながら宝塚生活の思い出を作っていきたかった」とおっしゃっているのを聞いた覚えがあります。

スターになれなかった人にしてみれば贅沢な悩みかもしれませんが、本人にとってはつらいことも多かったのではないかと推察します。

汀夏子さんといえば「炎の妖精」と渾名されたほど熱い方でしたが、内心はいろいろ思うところがあったのかもしれないですね。

身長はたぶん162〜3cmじゃないかしら? 小学生で160cm近くあった私よりちょっとだけ高い感じでした。それでも172cmの麻実れいさんに一切見劣りしていなかったのは本当にすごいと思います。放出する熱量がハンパなかったです。

今の時代に汀さんに匹敵する人はいないですねえ。比較的熱いイメージのある紅さんや望海さんも、汀さんに比べたら全然スマートです。

男役に命を懸けて、全てを捧げた人。それが良いか悪いかは分かりません。宝塚を退団した後の人生も大切だとは思いますしね。けれど幸不幸は他人が決めることではありません。本人がそれで納得しているなら外野がとやかく言うべきではない。

私のような庶民平民一般人には分からないことだらけなのでしょう…きっと。

汀さんを初めて観たのはテレビでの「ベルサイユのばら」。生で観たのは「星影の人」。レコードで「白鷺の詩」「ムッシュ・パピヨン」を聴きました。

相手役は摩耶明美さん以降はハッキリとはしていません。一応東千晃さんに決定したはずがそうとも言えず…。

以下覚えている限りで書きます。


1975年

『ベルサイユのばら』オスカル。相手役・麻実れい。

1976年

『白鷺の詩』橘光信。相手役・高宮沙千。

『ムッシュ・パピヨン』カルロス。相手役・麗美花。

『星影の人』沖田総司。相手役・高宮沙千。

『Non、Non、Non』ナイーブ。相手役・高宮沙千。

1977年

『鶯歌春』趙永徳。相手役・東千晃。

『あかねさす紫の花』大海人皇子。相手役・東千晃。

1978年

『風と共に去りぬ』スカーレット。相手役・麻実れい。

『丘の上のジョニー』ジョニー。相手役・城月美穂。

1979年

『春風の招待』ギスターブ、ジョルジュ。相手役・麻実れい、東千晃。

『朝霧に消えた人』立花尚二郎。相手役・上原まり。

1980年

『去りゆきし君がために』ジュリオ。相手役・花鳥いつき。


今ほどトップ・コンビがハッキリしていなかったと思うので不思議はないのかもしれないですが、なんか落ち着かなかったです。

麻実れいさんとの男役同士のコンビが売りなところがあったように覚えています。

「春風の招待」では汀さんがちょっとヤクザな男で麻実さんがお嬢様の役、2人とも二役でしたが麻実さんのおっとりとしたところが意外に可愛くてお似合いでした。

私は男役さんと娘役さんのトップ・コンビがハッキリしている方が好きですけどね。

望海さんが汀さんのビデオを見ているのは劇団の記録用とかなのかしら? 生徒さんの特権ですね!

望海さんの「グラナダ」をショーの一場面で観てみたいです。どこまで熱く魅せてくださるかなあ?


炎の妖怪・不二子

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