窓の外から猫の声🐈🐈🐈

2.5次元とか特撮とか。漫画や小説。平野良と望海風斗。

美中年という在り方

結構な昔になりますが、月組に「藤城潤」さんという男役さんがいました。私がファンになった当時、研8。

私もまだ子供だったので詳細は分かりませんが、たぶん今で言うところの “別格“ 的な存在だったと思います。

初めて生で藤城さんを観たのは「バレンシアの熱い花」(もちろん初演)のドン・ファン・カルデロ、泥棒さんです。

この泥棒さんがね、もうめちゃめちゃ素敵だったのですよ! 粋で軽妙でスマートで、それでいて底知れない影のようなものまであって。ステッキ使いも上手くて、本業が泥棒というのが垣間見える器用さ。

東京でバレンシアが再演された時はルカノール侯爵をされていました。それはそれでよかったけど代わりの泥棒さんが…むにゃむにゃ……。

決して真ん中のスターではないのだけれど、大きい役を与えたくなるのが分かるって感じ。将来のトップ候補では全くなかったけど、それでもファンは多かったです。

あ、ただ歌やダンスがどうだったかは、全く記憶がありません。もしかしてそっちが駄目な人だったのかしら?

子供だった私には研8はずっと大人の人だったけど、今研8というとずいぶんな若手に思えます。

泥棒さんの他に印象に残っているのは「新源氏物語」の桐壺帝。あまり覚えてないけどこれが退団公演だったかも。

榛名由梨さんの父親にしては若いけれど、美しく威厳のある帝でした。似てはいないけれどなるほど光源氏の父親だなと納得できる佇まい。最後の「あなたは私を許さなかった」という源氏の台詞に、そうだろうなあ〜この帝ならそうだろうよなあと、ちょっと背筋が凍るような怖さもありました。

退団は本当に悲しくて勿体ないと心底思いました。


“美中年“ と言えばもう1人、絶対に外せない男役さんがいます。

「新城まゆみ」さん。

藤城さんより一つ上級生ですが、美中年としての覚醒は研11の頃。花組から星組に組み替え後の「アンタレスの星」(原作「モンテ・クリスト伯」)のヴィルフォール検事総長 役。ヒロインを奪う為に主人公を陥れる悪役ですが、そもそもが路線でも充分イケるくらいの美貌の人ゆえ色悪ッぷりが嵌っていて凄味のあるかっこよさ。

それまでは綺麗なんだけど今ひとつパッとしない…って感じのスターさんだったのが一気に華開いた感じでした。

その悪の色気にやられてFCに入会しちゃった事を白状せねばなりますまい。テヘ。

その前の花組時代「風と共に去りぬ」(安奈淳さんのサヨナラ公演)での北軍中尉でその片鱗が見え新人公演のバトラーで一皮剥けたのかも? 新人公演って言っても新城さん既に研10でしたけどね…。スカーレットは研7の永遠の美少女・北原千琴さんでした(あれ? 安奈淳さんスカーレットの新人公演だからひょっとして北原さんが主演? 花總まりさんが初めてじゃないのか…? 当時どういう扱いだったのか知らないわ…)。

一度花組に戻り、更にもう一度星組へと組み替え。星組副組長を勤めた後退団してご結婚されました。

最後まで美しい方でした。トップのお父さん役をやっても素敵なパパッぷりで、本当に本当に “美中年” の名に相応しい名脇役だったと信じています。


藤城さんや新城さんのような “美中年” の復活を望んでいるのですが、なかなか難しいですね。

そもそも今は専科になって老け役・脇役として活躍してくれる生徒すら滅多にいなくて、実に淋しい…以上に危機的状況ですから。

ファンの方は怒るかもしれませんが雪組の彩凪翔さん、なってくれないですかねえ? 良いと思うんですけど…。彩凪さんトップ候補からは外れた感じですが、そうなってからの方が肩の力が抜けたのか役者として飛躍した気がします。ロラン夫人は美しく自然だったし、勝海舟は惚れ惚れするような男っぷり。

良いと思うんだけどなあ〜。雪組以外だと私はちょっと分からないので、良さげな方がいらしたら教えてください。


トップスターだけがスターの在り方ではないし、単なる脇役を超えた存在は舞台を面白くすると信じています。

求む “美中年”! 君も熟れた魅力の虜になってみないかい?

不二子

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